想い出だらけの~La spinetta~ワイナリー
もう昼間っから既にほろ酔い状態で迎えた灼熱の炎天下のしたはここ、ピエモンテのランゲ地区。
フォンタナフレッダ社から車でビューんと飛ばして20分弱。気づけば段々畑の山を越えて越えて青空の下で車を停車した。おやおや、ここは?何て言ってるそばから日本人の女性が出迎えてくれた。
イタリア気質な方たちかと思いきや、少し時間に遅れた私は時間の波には逆らえなかった。足早に案内が開始された。あとでわかったが、別場所でLUCAさんが私を待っていてくれたからだった。それはまた後述しようかと思う。
さてさて、ここではワインセラーを見せていただいた。数々の驚きは胸のなかにしまっておいて、一つ勉強不足ではあるが知らなかった機械(メカ)に驚いた。
それがこちらである。
名前は記憶から潰えてしまったが、この機械はすごい。
葡萄はフリーラン(果汁)などと果皮や茎などを分けるため圧搾(プレス)にかける。
圧搾の際に果皮などからくる渋味などのタンニンを抽出し、それは速さに比例する。
早く潰せばタンニンなどの渋味の抽出量は増えるみたい。
逆にゆっくり圧搾していけば、タンニンなどの渋味は抑制できるみたい。
けど肝である空気と触れることは避けては通れない鬼門である。酸化はワインにとっての大敵であるゆえに少しでもはやく圧搾を終えたいのが生産者の本音でもあると思う。
そこで現れたマシンがこちらなのである。
何回だってあげたいものである。
こちらは遠心力で果汁と果皮などを分離させすぐダイレクトに貯蔵タンクに移すことができる優れもの。
彼等のモットーはワインは90%は畑で決まる。残りの10%も余分な手は加えない。とのこと。
感無量な言葉だが、このように葡萄のアロマを最大限まで生かして、消費者に伝えようとしてる熱意ある心持ちに言葉だけでなく、既に魅了され、虜になってしまった。
そして知ってるワイナリーで一番
綺麗であった。とても綺麗に掃除されていた。埃一つもないのかなってぐらいである。
ワインの貯蔵庫をみてオフィスもどってきたのである。
色々見せてもらったあとは、お待ちかねの試飲タイム!もちろん別場所で待ってるLUCAさんには恐縮だが興味でうずうずしてたところだった。そして限りある時間のなかでとても脳裏に焼き付くようなワインをだしてもらった。
ヴィンテージ違いのソーヴィニヨンブランだった。
こちらの2016年のワインは若々しいフレッシュなハーブも感じるが、落ち着いた柑橘のトーンもある。
とても調和のとれたワインなんだなあってしみじみしてた。だから君には驚いたのだよ。
2008年のソーヴィニヨンブラン。
また勉強不足がすぎる私はワインのワの字を書こうとするペンすら握ってないことを強く再認識した。現行のヴィンテージからは感じられない驚くほど、いや、普段の口の悪い私の言葉遣いからすれば、ありえねーぐらいむちゃくちゃ複雑なアロマがぷんぷんしてた。
だって樽からくるニュアンスがありましたですもん。熟成してそのニュアンスが強まるのはどうしてなのか、
みんな一緒に考えたいなあって思った一ヶ月半前の夏の昼でした。
このあと時間がない私にもすっっごく丁寧に説明してくれてなおかつ、車で剱持さんにLUCAさんのもとへ送っていただきました。一期一会ってあるんですね、なんか涙がにじみます。ちゃんちゃん。